バカだなぁ、私。りっくんと涼ちゃんを間違えるなんてありえないよ。
顔とか全然似てないし、そもそも涼ちゃんがここにいるわけないのに……。
ゆうべ、あんな夢を見たせいかな。
するとりっくんは急に少しムッとした顔になって。
「……なんだよ。ゆずにも不評っぽいな」
なんて言い出したので、私は慌ててもう一度否定した。
「えっ!そんなんじゃないって!べつに私は……っ」
「いいよ。みんなにも『お前今日どうしたの?』とか突っ込まれてうぜーから、今からトイレで直してくるわ」
「えーっ!?待って!いいよ、そんなわざわざっ」
「じゃあな」
だけど結局彼はそのまま本当にトイレに髪を直しに行ってしまって、私は余計なことを言ってしまったなと思い、少し後悔した。
ごめんね、りっくん。私が変なリアクションしたせいで。
気を悪くしちゃったよね。
本当は似合ってたのにな……。



