その後、腫れた瞼を何とかメイクでごまかして、いつもより少し遅れて学校に行った。
教室はいつも通り賑やかで騒がしくて、先ほどまでのどよんとした気持ちを少しかき消してくれる。
私はみんなに挨拶をしたあと、おとなしく自分の席につくと、そのままボーっとしていた。
なんだか今日はあまり朝から誰かと話そうとか、そういう気持ちになれない。
一人でいたいなんて思ってしまう。
だけど、一人でいると余計に涼ちゃんのことをいろいろ思い出してしまって。
悪循環だよなぁ……。
「おはよ」
するとその時、聞き覚えのある声と共に、私の頭上に誰かの大きな手のひらがポンと乗っかった。
見上げると、そこに立っていたのはやっぱり、りっくん。
「あ、おはよー。……っ!?」
だけど、その姿を目で確認したとたん、私はドクンと思いきり心臓が飛び跳ねた。



