【完】俺がずっと、そばにいる。


彼女は私たちが付き合っていることを知っていたし、今日会う約束をしていたことも知っていたみたいで、だから私にもわざわざ連絡をくれたようだった。


私はあまりのショックにしばらくその場から動けなくて。すぐには涙すら出てこなかった。


だって、信じられなかったから。大好きな彼が亡くなっただなんて……。


絶対にそんなこと信じたくなかった。


だけど、駆け付けた先で横たわっていた彼は、もう目を開けていなくて。体も冷たくなってしまっていた。


「涼ちゃん!涼ちゃん!」


何度そう叫んだかわからない。


呼べば返事をしてくれるんじゃないかと思って何度も何度も彼の名を呼んだけど、彼が再び目を開けてくれることはなかった。


最後に握った手の感触は今でも覚えている。


あんなに温かかったはずの彼の手が、冷たくて……。


もうこの手で私の手を温めてくれることもないんだって、そう思ったら、どうしようもなく悲しくて、辛くて、胸が張り裂けそうだった。


涙が枯れ果てるんじゃないかと思うくらい泣いた。