叫びながらガバッと起き上がると、そこは自分の部屋のベッドの上。


「はぁっ、はぁっ……」


乱れた呼吸を整えながらあたりをぐるっと見回す。


カーテンの向こうからは、いつのまにか日が差していて明るい。


あれ?もう朝……?


どうやら私は、またあの夢を見ていたみたい。


涼ちゃんの……今はもういなくなってしまった、大好きだった人の夢。


閉じ込めていたはずの記憶がどっと押し寄せてきて、どうしようもなく胸が苦しくなる。


今までも同じような夢は何度か見たことがあって、たいてい最後はあんなふうに目が覚めてしまうのだけれど、今回のは実に久しぶりだった。


ここ最近はずっと見ていなかったのに、急にどうしてかな。


もう彼のことを思い出してもだいぶ平気になってきたと思ってたのに。


この夢を見てしまうとやっぱりダメだ。辛い……。


今日もこれから学校に行かなきゃいけないっていうのに、とても支度をする気持ちになれなくて、しばらくそのままベッドの上でボーっとたたずんでいた。