あぁ、そっか。それが原因なんだ。
この人たちはりっくんのファンなんだ。だから私に文句が言いたくてこんな……。
だけど、りっくんと約束したし、ここは否定するわけにはいかないよね。
「えっと、あの……はい。本当です」
おそるおそる肯定した瞬間、一気に顔が引きつる先輩たち。
「ウソ~っ!やっぱあの噂マジだったんだ!」
「最悪!」
「どうやって落としたわけ?」
詰め寄られ、ますます逃げ場がなくなる。
「どうせ汚い手使ったんでしょ!」
「色仕掛けで無理矢理言い寄ったんじゃないの?」
「絶対そうだって!マジムカつく。ほんと目障り!」
「……」
理不尽に思いながらも、怖くて何も言い返せない。
どうしよう。
あの嘘で、少なからずこうやって嫌な思いをする人がいることはわかってたんだから、やっぱり恋人のフリなんてしないほうがよかったのかな?
思わずそんなことが頭の中をよぎった。
「ちょっと可愛いからって調子に乗ってんじゃねぇよ!この男たらし!」
「きゃっ!」



