【完】俺がずっと、そばにいる。


「だって、あんなふうに言われたら私まで悔しいじゃん!りっくんのこと悪く言われたら嫌だよ。りっくんは顔だけじゃなくて、中身だってすごくかっこいいんだから!わかってないよね」


私が熱弁すると、彼は驚いたように目を丸くして、その場に固まる。


そして急にパッと目をそらしたかと思うと、口元に手を当てながら呟いた。


「……っ、本当に、そんなこと思ってんの?お前」


「え?」


しかもなぜか、その顔は少し赤いように見える。


「うん。もちろんっ!」


すぐさまハッキリとうなずいたら、ますます彼は照れたように顔を赤くして。


「……へぇ。そりゃどうもな」


なんて言いながら、恥ずかしそうに顔をそむけた。


……あれ?


もしかして、かっこいいとか言ったから照れたのかな?


りっくんでも照れたりするんだ。意外。


でも、今のはお世辞じゃなくてちゃんと本心だからね。


「……おいゆず」


すると急にりっくんが私の名前を呼び、振り返ったら目の前に、箸につままれた唐揚げが一個。


「これ、やるよ」