【完】俺がずっと、そばにいる。


思わずムッとして、その男子たちのほうを振り返る。


すると、その時急に、隣のりっくんが私の肩にガシッと手を置いて、抱き寄せてきた。


「……わっ!」


「なぁ、そのカレー一口ちょうだい」


「えっ?……これ?」


どうしたんだろう。なんで急にカレー?


唐揚げばっかで飽きちゃったのかな?


「う、うん。いいよ。ハイ」


言われて食べかけのお皿を彼のほうへ差し出してみる。


すると彼は、私の顔を覗き込むようにじっと見つめながら。


「そうじゃなくて。ゆずが食べさせて」


えぇっ……‼


さっきまでとはまるで違う、甘えるような彼の口調に少しドキッとしてしまった。


食べさせてって……りっくんそういうキャラだったっけ?


りっくんの顔がやけに近くて恥ずかしい。なにこれ……。


あ、でもそうか。ここは彼女のフリしなきゃいけないのか。


「わ、わかった……。はい、りっくん」