「おい、ちょっとあれ!姫川さんってほんとに桜井と付き合ってんの!?」
「らしいぜ」
「うわ、ショック~!」
どうやら私たちの話をしているみたいでドキッとする。
すごくジロジロ見られてる感じがするし……。
「初耳なんだけど。誰とも付き合う気ないとか言ってなかったか?」
「桜井は特別なんじゃん?あいつうちの学年でもダントツでモテるしな」
「えーっ。なんだよ結局顔かよ~」
「そりゃそうだろ。女なんてみんな顔が良ければ何でも許せるんだよ」
うわー、なんか言ってる……。
まぁ、あの人たちにどう思われようが構わないけれど、ちょっと気分悪いな。
「ケッ、いいよなぁ顔がイイ奴は。桜井なんてどこがいいんだよ。無愛想だし、顔だけのくせによっ」
だけど、次に聞こえてきたその発言だけは、ちょっと聞き捨てならなかった。
なにそれ。りっくんが顔だけ?そんなわけないでしょ。
それって完全に僻みじゃん。
なんか……腹立つ。



