我慢できずに彼にお願いしてみたら、りっくんは呆れたように眉をひそめながら。
「ダメ」
……ソッコーで断られた。
「えーっ、ケチー」
「お前はどれだけ食うんだよ。太るぞ」
「大丈夫だよ。すぐに全部消化しちゃうから、私」
「……。でもただでさえ揚げ物だらけじゃねぇかよそのカレー。ひでぇな、全部茶色だし」
言われて自分のカレーをじっと眺めてみる。
……確かに。全部茶色。
とてもヘルシーとは言えないこの色合い。女子力のかけらもないセレクト。
「あはは……。まぁね」
「色気ねぇな、ほんと」
「なっ……。確かにそうかもしれないけど、色気より食い気だよっ」
「自分で言うな」
すかさず突っ込みながらポカッと頭を叩いてくるりっくん。
すると、その時ちょうど近くを通りかかった男子の集団が大声で噂話をする声が耳に入った。



