りっくんとはそのままわざと教室まで手を繋いで一緒に行った。
そしたら案の定クラスのみんなにも大注目され、「いつの間に付き合ったの!?」なんて質問攻めされて。
正直とっても恥ずかしかった。
周りの人たちのリアクションが想像以上に大きくて、本当にこんなことしてよかったのかな、なんて戸惑う。
ウソついてるという罪悪感も多少あったし。
でももう、いまさらだよね。
対するりっくんは平気そうな顔してるし、みんなの冷やかしにも冷静に対応してるし、さすがって感じ。
とりあえず琴子にだけは本当のことを説明しておかなくちゃと思い、廊下の隅っこに呼び出してこっそり事情を話す。
「え~っ!彼氏のフリ!?そうだったの!?なんだぁ、ビックリさせないでよ」
「ご、ごめんね」
「まぁ、じゃなきゃあの梨月くんがあんな見せびらかすように教室まで手を繋いでくるなんてしないかー」
「あはは、うん。だよね」
「でもそれいい案だね。面白いじゃん」
「えっ、そうかな?」
「うん」



