ウソ。今なんて言った？
「まぁ一応、“彼氏”だからな」
「……」
思いがけないセリフに目を見開く私。
だって、あのりっくんがサラッとこんなこと言うなんて。
もちろんいつも色々と助けてもらってはいるけど、「守ってやる」なんて言葉が彼の口から出てくるとは思わなかったよ。
真顔でそんなこと言われたらドキッとするんだけど……。
「へへ、そっか。ありがとう。頼もしいよ」
はにかみながら答える。
これも彼氏のフリの一環なんだろうなと内心では思いながらも、なんだかすごく嬉しかった。
それにしても、本当に不思議だな。
あのりっくんと自分がこんなことしてるなんて。
しかも彼は意外とこの計画に乗り気みたいだし。
女子に言い寄られるよりは、私とこうしてたほうが楽だってことなのかな……。
