りっくんはうちの学年に限らず、ほかの学年の女の子たちにも人気がある。


だから、彼に彼女ができたなんてその子たちが知ったら、きっとショックだし、私のことをよくは思わないだろうな。


……本当は付き合ってないんだけどね。


手なんか繋いじゃってごめんなさい。


「ねぇりっくん、なんか私今、一瞬にしてりっくんのファンを敵に回したような気がするよ」


私がボソッと呟くと、りっくんはあまり気にしていない様子。


「そんなのほっとけ。俺だって一緒だよ。お前にだってファンいっぱいいんだろ」


「いや、でも女子はもっと怖いんだって。陰湿だし、呼び出してくる怖い先輩とかいるし……」


「そういやいたな。前にそんな奴」


「うん。りっくんも知ってるでしょ」


そう、実際過去にも一部の女子から色々言われたことはあった。だから女の怖さはよ～くわかってる。


するとりっくんはそんな私のほうを振り返ると、急に真面目な顔で。


「大丈夫。そん時はちゃんと俺が守ってやるよ」


「……えっ？」