「えっ、おい見ろよ。あれ」
「ウソーっ」
りっくんと手を繋ぎながら校舎に向かって歩いていたら、さっそくたくさんの人たちの視線にさらされた。
やっぱり目立つのかな?すごくジロジロ見られてる。
なんだかまた恥ずかしくなってきて、思わず下を向く。
「なんか……すっごい見られてるね」
りっくんにそう告げたら、彼は作戦成功と言わんばかりに不敵な笑みを浮かべた。
「ほら。さっそく効果バツグンじゃん?」
近くを歩く女の子の集団が、私たちを見たとたん悲鳴を上げる。
「きゃーっ!なにあれ!梨月くんが女の子と手繋いでる!」
「え、相手あの姫川さんじゃん!付き合ってたの?」
「ウソでしょ、ショックー」
それを聞いてなんだか申し訳ない気持ちになると同時に、少し背筋が寒くなった。



