そして大きな手のひらを私の頭の上にポンと乗せる。


「明日から、学校では俺、ゆずと付き合ってることにするから。お前もそうして」


「う、うん。わかった」


「“仮の恋人”ってことで、よろしくな」


……仮の恋人。不思議な響き。


りっくんが、私の彼氏……。


心の中ではどこか戸惑う気持ちもあったけれど、なぜだか別にそれを嫌だとはまったく思わなかった。


だってりっくんは、私のために提案してくれたんだもんね。


それがそのまま彼のためにもなるなら、悪くないのかなって。


あくまで“フリ”なんだから……。


そんなこんなで、この日から本当に、私とりっくんの仮の恋人契約がスタートしたのです。


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