「え、マジで~!ほんとに狙ってるんだ!どおりでよく一緒にいるなと思ってた。梨月くん的にはどうなのかな?時田さん」
「うーん、わかんないけどさぁ。美人なのは美人だよね。頭いいし、清楚だし、男受けは良さそう」
「やだ、そのうち付き合っちゃったらどうしよう、ショックだな~」
ドアの鍵に手をかけたままじっと固まる私。
あの亜美ちゃんが、本気でりっくんのことを好きだったなんて……。
そうだろうなとは思ってたけど、いざそれを耳にしてしまうと、なんだかとてもショックだった。
――キーンコーン。
「あ、やばい。戻ろう」
そのまま予鈴のチャイムが鳴って、彼女たちはいつのまにかトイレから去っていく。
だけど私はそのあともしばらく、心臓のドキドキがおさまらなかった。
なにこれ。自分でもビックリするくらいに動揺してしまっている。
なんでショックなんか受けてるんだろう私。
おかしいよね……。



