「姫川さんあのルックスだし異常にモテるからね~。だって、あの人気読モの咲夜くんのことだって振ったんでしょ。やっぱり可愛いだけあって、理想が高くてワガママなんじゃない?」
「へぇー、贅沢だね。もったいない」
ドキドキしながら聞き耳を立てる私。
声を聞く限りその子たちは知り合いではなさそうだったけれど、やっぱり自分のことを言われているのを耳にするのは心臓に悪い。
「梨月くん、まだ未練あるのかな?」
「さぁ、どうなんだろ?でも、最近梨月くん二組の時田さんに狙われてるのだけは確かだよね」
時田さん。その言葉を聞いた瞬間ドクンと心臓が跳ねる。
狙われてるって……。
「あぁ、一緒に話してるのよく見かけるかも」
「でしょ?あの子ああ見えて結構惚れっぽいタイプみたいでさ、バイト先が一緒だかなんだかで仲良くなったらしいけど、すでに梨月くんのことかなり本気らしいよ」
う、ウソ……っ。そうなの?



