「……はぁ」
日に日にため息が多くなる。心が重くなる。
この前りっくんにそっけない態度を取られてからというもの、私はずっと落ち込んだまま、元気を取り戻せずにいた。
もう、私からは無理に話しかけたりしないほうがいいのかな、なんて思ってしまう。
りっくんとの関わり方がもうわからなくなってきちゃったよ……。
「ねぇ、梨月くんと姫川さんってなんで別れたのか知ってる?」
休み時間、トイレの個室から出ようとしたところ、洗面台から女の子二人が噂話をする声が聞こえてきて、とっさにドアの鍵を開けようとする手を止めた。
「詳しくはよくわからないけど、姫川さんが振ったって噂だよ」
「えーっ。あの梨月くんを振るなんて信じらんない。どこに不満があったんだろ。振るなら私にくださいって感じ」



