【完】俺がずっと、そばにいる。


楽しそうに談笑する三人を横目で見ながら、どうしようもなく寂しい気持ちになる。


今までは、自分もあんなふうに気軽に声をかけてたのに。りっくんや玲二くんと楽しくおしゃべりしてたはずなんだけどな。


「梨月くんさぁ、最近あの子とずいぶん仲良くない?」


しょぼんと肩を落とす私に琴子が声をかけてくる。


「えっ」


あの子って……。


その視線はやっぱり亜美ちゃんのいるほうを向いていた。


「あの時田亜美ちゃん、だっけ?最近いつもうちの教室来てるし。なんか、急に梨月くんにベタベタ付きまとってる感じ?」


その言い方はなぜか少し嫌味っぽい。まるで亜美ちゃんのことが気に食わないみたいに。


「う、うん。バイト先が同じだからね。りっくん最近バイトたくさん入れてるみたいだし、バイトでいつも一緒だから仲よくなったんじゃないかな」


「しかもあの子めちゃくちゃ頭いいんでしょ。いつもテスト10番以内に入ってるし。バイトもしながらよくそんな勉強できるよね」