そんなふうに言われると非常に辛い。グサッとくる。
「やっぱり私、梨月くんには絶対柚月のほうがあってると思うし」
なんて、急に意味深な言葉をつぶやく琴子を見て「どういう意味だろう」なんて思っていたら、ふと彼女は視線をコートの向こうにやった。
その先にいたのはなんと、二組の時田亜美ちゃんの姿。
休憩中の玲二くんと楽しそうに話している。
バイト仲間同士、やっぱり仲がいいみたい。
――ピーッ!
するとそこでちょうど一回目の試合終了の笛が鳴って、試合を終えた男子たちはぞろぞろと一斉にコートからはけていった。
床に置いてあった自分のタオルを手に取ると、すぐさま玲二くんと亜美ちゃんのところへ歩いていくりっくん。
りっくんが来た途端に目を輝かせて肩をポンと叩き「おつかれ!」と声をかける亜美ちゃん。
見た瞬間胸の奥がズキッと痛んだ。
あぁ、また話してる……。



