【完】俺がずっと、そばにいる。


――ピーッ!


四時間目は体育。試合開始の笛の音と共に、男子たちのバスケの試合が始まる。


私と琴子はいつものように体育館の壁にもたれながら、その様子を見学していた。


体育はいつも隣の二組との合同なんだけど、うちのクラスは運動神経のいい男子がそろっているのでどのチームもわりと強い。


今ちょうど試合中のチームも開始早々からたくさん点を決めていて、相手の二組男子チームは圧倒されていた。


なにせ、元バスケ部エースのりっくんがいるし、彼の活躍っぷりはいつもすごいから。


あらためてちゃんと彼の試合姿を見てみると、やっぱりすごくカッコいい。


っていうか、りっくんってこんなにカッコよかったっけ?


一生懸命プレーする彼のキラキラした姿を見ていたら、わけもなく切なくなってきてしまう。


なんだか彼がすごく、遠くて……。