【完】俺がずっと、そばにいる。


彼女は隣のクラスの時田亜美(ときた あみ)ちゃん。


美人で清楚な感じの優等生で、学級委員長なんかも務めるしっかり者。


りっくんや玲二くんとバイト先が同じらしく、最近りっくんの席に話しかけに来ているのをよく見かける。


「あぁ、おはよ」


「これ、この前借りた本、どうもありがとう」


彼女はさっそく手に持った文庫本をりっくんに手渡すと、ニコッと笑う。


「すっごく面白かった。梨月くんのおススメの本全部面白いね」


「そう?ならよかったけど」


「ねぇ、よかったらまた何か貸してもらってもいい?あの探偵シリーズも読んでみたいな」


「あー、わかった。今度持ってくる」


「ほんと?ありがとう!」


こんなふうに本の貸し借りをしている場面ももう何度か目にしていて、知らない間に二人はずいぶんと親しくなったようだった。