だけど、りっくんはそれを聞いて数秒考え込んだように黙ると。
「……ごめん」
少し辛そうな表情を浮かべながら謝ってきた。
「実は俺、冬休みから玲二のバイトしてるカフェで一緒にバイト始めたんだ。それで今日もこれからバイトで、急いでて」
「えっ!そうなの?」
知らなかった。りっくんいつの間にバイトなんかしてたんだ。
「だからもう、あんまり一緒に帰ったりとかできないと思う」
その言葉に、ドクンと心臓が鈍い音を立てる。
「あ……そ、そっかぁ」
「ごめんな」
「う、ううん!大丈夫。偉いね、バイトなんて。頑張ってね!」
「あぁ。ゆずも気を付けて帰れよ」
「うん、ありがとう」
「それじゃ」



