「私はずっと梨月くんの気持ち知ってたよ。まぁ、本人から直接聞いたわけじゃないけどさ。彼の態度見てたらバレバレだったから、絶対そうなんだろうなって思ってた」


「えっ、ウソッ!」


そうなの!?


思いがけないことを言われてギョッとする私。


「いや、あれで気づかないわけがないよ。たぶん玲二くんだって知ってたと思うよ」


「えぇっ!玲二くんも!?」


確かに二人していつも冷やかしてくるなとは思ってたけど……。あれって気づいてたからだったの?


「うん。柚月はめちゃくちゃ鈍いからなぁ~。正直なんで気づかないんだろうってずっと思ってたよ。だってよく考えて。そうでもなかったら、あの梨月くんが恋人のフリなんてするわけないじゃん」


「なっ……」


「好きでもない子と手を繋いだりするような人じゃないでしょ、彼は」


あらためてそう言われてみると、確かにそうだなって思った。


なんで私、気づかなかったんだろう。


今になって思えば、りっくんの態度はすごくあからさまだったのに。