【完】俺がずっと、そばにいる。


彼の長い指がそっと伸びてきて、私の右頬に触れる。


どきんとまた心臓が跳ねて、熱い頬がもっと熱くなった。


どうしよう、なんか変……。さっきから心臓がうるさいよ。


彼のまっすぐなまなざしに、吸い込まれそうになる。


どうしてそんな、優しい顔するの。


だけど次の瞬間、その表情がふと意地悪な笑みに変わって。


「だってお前、俺一筋なんだもんな?」


思いがけないセリフにハッとする私。


「……ちょっ!やだっ、何で覚えてるのそれ!」


確かに私、そんなことも言った気がするけど。あれは本当にその場の勢いで……。


「覚えてるにきまってんだろ。お前さっきすげぇドヤ顔してたもんな」


「えぇ~っ!ウソッ!」


私、そんな顔してたの?結構いろんな人に見られてたのに。


めちゃくちゃ恥ずかしいよっ。


「そ、それはもう忘れてっ!てか、その話もう終わり!」


私がビシビシとりっくんの胸を叩いたら、彼は楽しそうにクスクス笑った。


「ははっ、嫌だ」


「ちょっと~っ!」