相変わらず嫌味っぽい口調で、笑いながらりっくんの肩に手を乗せる咲夜くん。
その手をすぐにどけるりっくん。
「……っ。お前に言われたくねぇよ。いちいちゆずに近寄るんじゃねぇよ」
「ははっ。嫌だなぁ。相変わらず怒りっぽい彼氏くんだね」
「……てめぇ」
あぁどうしよう。また喧嘩みたくなっちゃった。
咲夜くんとりっくんが顔を合わせると、絶対嫌な雰囲気になっちゃうんだ。
でもこれも全部、私のせいだよね。りっくんが言うように、私に隙があるのがいけないのかも。
私がもっとはっきり咲夜くんに断らないといけないんだ。私は〝りっくんの彼女〟なんだから。
今度こそ、ハッキリ言わなくちゃ。
「あ、あのっ、咲夜くん!」
二人の間を割るようにして、咲夜くんの前に立つ。
「ん?どうしたの?柚月」
そして顔を上げ、しっかりと彼の目を見据えた。
「ずっと言おうと思ってたんだけど、私は……」
ちょっと恥ずかしい。いや、正直めちゃくちゃ恥ずかしいけど。
「私はりっくん一筋だからっ!!」



