【完】俺がずっと、そばにいる。


するとそこで、後ろからりっくんが私の名前を大声で呼ぶ声がして。


振り返ったら、焦った表情でこちらへ駆け寄ってくる彼と目が合った。


「……あっ、りっくん!」


わぁ、よかった。はぐれちゃったと思ってたけど、無事会えた。


私のこと、探してくれたのかな?


りっくんはすぐそばまで来ると、私の腕をギュッと掴み、呆れた顔で言う。


「……はぁ。やっと見つけた。ったく、一人で勝手にどっか行くんじゃねぇよ」


「ご、ごめんね」


「しかも、なんでまたお前がいるんだよ」


そしてすぐ咲夜くんのほうを振り返ると、鋭い目でキッと睨みつけた。


「おっと、桜井くん。君のほうこそ、彼女ほっぽって何してんの~?」


「はぁ?ほっぽってねぇし」


「だって今、柚月のこと見失ってたんでしょ?ダメだよ~、柚月可愛いんだからちゃんとそばにいてあげないと」