「あははっ。照れちゃってかーわいい!」
「照れてないよっ!」
「ウソだ。今ちょっとドキドキしたでしょ?」
「なっ!してない!」
どうして私にこんなにしつこく構うんだろう。
ほかにいくらでも相手にしてくれる女の子いるはずなのに。
咲夜くんは嫌がる私を見て、むしろその反応を楽しんでいるかのようだ。
「柚月ってさぁ、モテそうなのにあんまり男慣れしてなさそうな感じするよね」
「えっ!」
男慣れ?
「反応がいちいちウブで可愛い」
咲夜くんの手が、今度は私の頬にピタッと触れる。
「なんか君の彼氏、けっこう奥手っぽいもんねぇ。俺だったら、柚月のこと退屈させない自信あるのに」
「……っ」
またりっくんのことバカにして。
前から思ってたけど、なんで彼はこんなにも自信過剰なの?
人気読モでいつもちやほやされてるから?
自分ならどんな子でも落とせるとか思ってるのかな?
「べつに、退屈なんて……っ」
「ゆず!!」



