そう聞かれて、咲夜くんが妙に嬉しそうな顔をしてるもんだから嫌な予感しかしなかったけど、はぐれてしまったのは本当なので仕方なくうなずいた。
「う、うん。そうかも」
「マジか。じゃあ俺が一緒に探してあげよっか?」
「えっ!いやいや、大丈夫だよ!」
さすがにここでまた咲夜くんと一緒に行動するのはまずいと思い、すかさず断る私。
だけど、彼がそこで引くはずがなく。
「またまたー、遠慮すんなって~」
さらっといきなり肩を抱いてくる咲夜くん。
「ちょっ……」
「せっかく二人きりになれるチャンスなのに」
ボソッと耳元でそうささやかれた瞬間、身の危険を感じた私は、両手でグイっと彼の体を押しのけて、突き放した。
「だ、ダメッ……!」
もう、ほんとにこの人は、油断も隙もないというか。
相変わらずスキンシップが多いし、強引だし、危うくペースに乗せられてしまいそうになる。
私が拒否しても、顔色一つ変えないし。



