【完】俺がずっと、そばにいる。


りっくんが呼ぶ声も聞かずに、人混みをすり抜けてマンタが泳ぐ場所の前へと移動する。


そしたらちょうど水槽のガラスの近くまで泳いできてくれたので、たくさんマンタの写真をアップで撮ることができた。


もちろんその後ジンベエザメも、他の魚たちもしっかりとカメラに収める。


綺麗な写真をたくさん撮れて大満足。


だけど、気が付いたら周りに人がどんどん増えていて、いつの間にかりっくんの姿を見失ってしまっていた。


……あれ、そういえばりっくんはどこだろう?


私ったら写真を撮るのに夢中になってて、りっくんのこと置いてきちゃったよ。探さなくちゃ。


そしたらそこでポンと後ろから誰かに肩を叩かれて。


ハッとして振り返ったら、見覚えのある人物が満面の笑みを浮かべながらこちらを見ていた。


「ゆーずきっ!」


「わっ。……って、咲夜くん!?」


またしてもこうしてバッタリ会っちゃうなんて。


これで修学旅行中何度目だろう。


「なにしてんの?一人?彼氏と一緒じゃないの?」


「え……っと、うん。つい今まで一緒にいたんだけど」


「もしかしてはぐれちゃった?」