【完】俺がずっと、そばにいる。


さらには冗談ぽくそんなことを言われたので、思わず「うん」なんて勢いでうなずいてしまった。


その瞬間、りっくんが何とも言えない顔をしたのがちょっと気になったけど。


「ねぇこれ、ジンベエザメの写真超イイ感じで撮れたんだけど!」


「ほんとだー!すごい!」


「あ、またこっちに近づいてきたよ!」


「ウソッ。カメラカメラ!」


すると、その時すぐ横にいた女の子たちが、水槽にカメラを向けながらはしゃいでいる声が聞こえてきて。


それを見て、自分がまだこの大水槽の写真を一枚もとっていないことに気が付いてハッとした。


慌ててポケットからスマホを取り出す。


「あ、そうだ!ねぇりっくん、せっかくだから写真撮らなくちゃ!」


「ん?あぁ」


「私、マンタ撮りたい!どこに行ったかな?あっ、あっちにいた!」


勢いのまま繋いでいたりっくんの手をパッと離して、マンタを追いかける私。


「おい、ゆずっ」