【完】俺がずっと、そばにいる。


そしてさらに進んでカニなどの水辺の生き物を見たあとは、いよいよメインの大水槽へと向かった。


ここの水族館の一番の目玉だと言われているこの場所。


横幅35メートルという、他ではなかなかない大きさの巨大な水槽にたくさんの魚たちが泳いでいる。


いざ近くまで来たら、それは想像以上のスケールで、思わず感嘆の声が漏れた。


「す、すご~い!なにこれっ」


「うわ、すげぇな」


目の前に広がる一面の青。まるで自分も海の中にいるみたい。


特にその中を優雅に泳ぎまわる巨大なジンベエザメやマンタの迫力は半端なくて。


しばらく呆然と突っ立ってその姿に見とれていた。


「キレイ……。こんな大きな水槽初めて見た」


「俺も。なんか神秘的だよな」


「うん。ほんとに神秘的。人魚にでもなったみたいな気分」


あまりの美しさと雄大さに、なんだかとてもロマンチックな気持ちになってくる。


そしたら隣で手を繋いで一緒に見ていたりっくんが、クスッと笑ってこちらを振り返った。