【完】俺がずっと、そばにいる。


廊下を通って下駄箱へ。


すると、どこからか噂をする男の子たちの声が聞こえてきた。


「あ、姫川柚月だ。やっぱ可愛いよな~」


「マジ春瀬ひまりに似てるよな。なんであれで彼氏いないの?」


「付き合いて~。あんな彼女いたら自慢だよな」


こんなふうに言われても、最初はちょっと嬉しかったりもしたけど、今では複雑だ。


なんだか自分をほめられているのか春瀬ひまりをほめているのかよくわからないし、男子に気に入られることが原因で、女子に陰口を叩かれたり、怖い女の先輩に呼び出されたこともあるし……。


平和が一番だよなぁ、なんて今は思ったりしてる。


「姫川さーん、ばいば~い!」


中にはこうやって、知り合いでもないのに手を振ってくれる人だっている。


なんとなく手を振り返すのも馴れ馴れしい気がしたので、ぺこりと笑顔で会釈をして、その場を通り過ぎた。