あのいつもクールなりっくんがムキになってたなんて。


なんだか思わず顔がほころんでしまう。


「ふふ。りっくんでも、ムキになったりすることあるんだね」


私がそう言ったら、りっくんは少しムッと口を尖らせた。


「……仕方ねぇだろ。お前のことなんだから」


「えっ?」


そして、再び私の頭に手を乗せると、わしゃわしゃと髪をかき乱す。


「お前のせいだよ、バカ」


「わーっ、ちょっと!なんで~っ!」


なんで私のせい?


さらにはそのまま手を私の後頭部に回したかと思うと、なぜかグイっと自分の胸に抱きよせるりっくん。


「……ひゃっ!」


突然また抱きしめられているような体制になって、鼓動が急激にドクドクと早まった。


あれ?ちょっと待って。なにこれ……。


耳元でりっくんの低い声が響く。


「だからさ、もうちょっと、俺のだって自覚して」


「……っ」