そしたらそのぶつかった相手はなんと、偶然にもあの咲夜くんで。
「いえいえ~……って、誰かと思えば柚月じゃん!また会ったね~」
「あれ?咲夜くん!?」
たしかに、今日はやたらよく会うなぁ、なんて思ってたら、咲夜くんは私の手に持った皿に目をやったかと思うと、一瞬目を丸くして驚いたような声をあげた。
「うっわー!それにしてもずいぶんたくさん盛ったね!」
「あ、これ?」
「うん。柚月って見た目のわりにたくさん食べるんだね」
そう言われて、この大食いっぷりはたまに引かれるけど、彼もまた引いたのかなぁなんて思う。
いまさら隠すつもりはないけどね。
「あはは、そうなの。食べるのが趣味だからね」
「へぇ~、いいじゃん!俺、おいしそうにモリモリご飯食べる子好きだよ」
だけど、意外にも引かれなかったみたい。
そしたらどこからともなくチッと舌打ちをする音が聞こえてきて。
ハッとして振り返ったら、そこにはりっくんがものすごく不機嫌そうな顔で立っていた。



