【完】俺がずっと、そばにいる。


私が慌てて弁解すると、りっくんがムッとした顔で突っ込んでくる。


「なんでお前があいつに貸してやる必要あんの?」


「だ、だって、なんかすごく困ってたから……」


「このお人よし」


えぇっ。お人よしって、人助けしたらダメなの?


「でも、話したのは今日が初めてだよ」


「その割にはなんかすごく親しげだったよね?」


琴子が意外そうな顔で口を挟む。


「そうかな?」


「うん。すごく気に入られてる感じだったよ」


「まさかー」


それはただ咲夜くんがフレンドリーだからそう見えただけだと思うんだけど。


「もしかしてさぁ、ゆずちゃんロックオンされちゃったんじゃないのー?」


すると、玲二くんがニヤニヤした顔でポンポンと肩を叩いてくる。


そして今度はりっくんのほうを振り返って、こんなことを口にした。


「どうする?梨月。このままじゃゆずちゃんのことあの読モにとられちゃうかもよ~?」