【完】俺がずっと、そばにいる。


「どういう意味だよっ!」


「あははっ」


咲夜くんはなぜか面白がったように笑ってるし。


というか、なんで二人は急に喧嘩みたいになってるの?


「おーい!咲夜~!なにしてんだー?」


するとそこで、向こう側から咲夜くんを呼ぶ仲間の男子たちの声がして。


「おっと、いけね」


ハッとした彼は、すぐにまた営業スマイルのようなさわやかな笑みを浮かべると、ニコニコ手を振りながら仲間のいるほうへと走っていった。


「それじゃ、またね~!柚月」


「あ、バイバイ」


反射的に手を振り返す私。


その手をすかさずパッとりっくんが掴む。


「……おい。なんだよあいつ」


低くて不機嫌な声にビクッとする。


「えっと、咲夜くんって人だよ。ほら、読モの……」


「知ってるよそれくらい。そういうことじゃなくて、お前いつからあいつと知り合いだったんだよ」


「えぇっ!いや、知り合いっていうか……」