りっくんはそのまま私の腕を引っ張っると、その場から連れ去るかのようにスタスタと歩き始める。
「……おっと!」
するとそこに咲夜くんが一緒についてきて、突然私たち二人の前に立ちはだかった。
そしてニコニコしながらりっくんに話しかける。
「ねぇ、もしかして、君が噂の柚月の彼氏?」
「……は?そうだけど」
「ふ~ん。知ってる知ってる~。イケメンと名高い桜井くんだよね」
なんて言いながら、りっくんのことを上から下までジロジロと観察する咲夜くん。
なんだろう。まるで品定めでもしているかのよう。
「噂には聞いてたけど、確かにカッコいいや~」
その様子にはりっくんもかなり戸惑っていて、ただでさえしかめ面だったのが、もっと険しい顔に変わっていた。



