咲夜くんはそう言って、さっそく私を呼び捨てにしたかと思うと、頭にポンと手を乗せてくる。
同時にふわっと香る香水の香り。
そしてそのままニコッと笑うと、「じゃあね~」なんて手を振りながら、機嫌よさそうに去っていった。
……なんだろう。なんか、友達になっちゃった?
あの咲夜くんとこんな形で知り合うとは思ってもみなかった。意外とフレンドリーで話しやすい人なんだな。
でも、困ってたみたいだったから、助けになれてよかった。
たいしたことはしてないけど、彼がすごく感謝してくれたので、なんだかとてもいいことをしたような気になって、自分でも気分が良かった。
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