すかさずリュックから、自分のモバイルバッテリーを取り出す。
持ち物リストには載ってなかったけど、念のため準備しておいてよかった。フル充電してあるし。
手渡すと、咲夜くんは瞬時に目をキラキラと輝かせた。
「えぇっ、マジ!?いいの?」
「いいよいいよ。私まだ充電たっぷりあるし、どうぞ」
「マジかよ~!すっげぇ助かる!マジ女神!」
大げさに喜びながら受け取る彼を見て、ちょっと笑ってしまう。
ナルシストって噂だし、雑誌に載っちゃうような有名人だから、もっとお高くとまってるのかと思ってたけど、そんなことはないみたい。フレンドリーな感じだし。
まぁ彼みたいに読モとかやってる人は、常時SNSチェックしてそうだし、スマホ使えないなんて死活問題なんだろうなぁ。



