近くで見ると、確かにオーラがあるというか、まぶしい。
「うっわ、マジかよ~!」
スマホを片手に独り言をつぶやく彼。
いったいどうしたんだろう。
「終わった。最悪……」
そう言いながら今度はキャリーバッグに顔を突っ伏すようにしてしゃがみ込む。
その様子があまりにも落ち込んでいるみたいだったので、ちょっと心配になった。
大丈夫かな?何かトラブルでも?
気になっておそるおそる声をかけてみる。
「……あのーっ、大丈夫ですか?」
「えっ?」
すると、彼はハッとした様子で、すぐにこちらを振り返った。
「あ、いや、ごめん。何か困ってるのかなーって思って」
私がいきなり話しかけたものだから少しびっくりした顔をしてたけど、すぐさま立ち上がる咲夜くん。
そして、手に持ったスマホの画面をこちらに見せてきた。



