「だって、旅行と言えばグルメでしょ!」


「沖縄と言えば海だろ」


「いや、海はもちろんだけど、せっかく来たからここでしか食べられないものを食べようと思って。色々考えてたんだよ」


「べつにいいけど……そんなふうに食い物のことばっか考えてんのお前だけじゃね」


「なっ!そんなことないよっ!」


バカにしたように笑うりっくんを、ムッとした顔で睨みつける。


まったくこの人は、いつもこうやってからかってくるんだから。


そしたらその様子を隣で見ていた玲二くんが、笑いながら突っ込んできた。


「あははっ!ほんとお前らの会話、色気ねぇな~」


彼を見ると、まるでホストの私服みたいなチャラい格好してるし、今日は腕にブレスレットがいつもより多くついてる気がするし、いつにも増して派手。気合いが入ってる感じ。