【完】俺がずっと、そばにいる。


さすがにこれを黙って見ているわけにはいかないと思った俺は、すぐさま近くに駆け寄る。


『……おい、ちょっと』


俺がそう言ってとっさに先輩の腕を取り上げたら、そいつはギョッとした顔で大声をあげた。


『うわっ!なんだよお前!』


『梨月くん!?』


ゆずも驚いている様子。


『嫌がってんだから離してあげたら?っていうか、フラれてんのにしつこいっすよ』


俺は、一応相手が先輩だから控えめに言ったつもりだった。


『……なっ!』


だけどそいつはプライドが傷ついたのか、俺の言葉を聞くなり顔を真っ赤にして。


『うるせぇなぁ!部外者は引っ込んでろ!』


なんて言って、いきなり俺の胸ぐらをつかんできた。


『一年生のくせに生意気な口聞きやがって!しかも、人の告白盗み聞きとかふざけんじゃねぇよ!殴られてぇのかてめぇ!』