「だからゆずも、しんどい時はもっと誰かに頼ったり甘えてもいいんじゃねぇの。俺でよければ付き合うから」
「えっ……」
りっくんはそう言うと、握っていた私の手を離して、今度は私の頭の上にポンと乗せてくる。
「付き合うよ、いくらでも。だから、我慢すんな。ほんとは今日、すげぇ辛かったんだろ？」
そんなふうに言われたら、もう我慢できなかった。
鼻の奥がツンと痛くなって、こらえていた涙が一気にあふれだしてくる。
「……っ、りっくん……っ」
ダメだもう、止まらない。
「うぅっ……」
そのまま私が崩れるように泣いたら、りっくんはそっと腕を添え、自分の胸に私の体を抱き寄せてくれた。
そのぬくもりについ甘えてしまいそうになる。
いけないよね。いくら仮の彼氏だからって、私、りっくんに頼りすぎだよ。
