【完】俺がずっと、そばにいる。


「俺の前でまで元気なフリしたり、無理しなくていいから。俺はゆずが無理して我慢してる顔なんか見たくない」


真顔でハッキリとそう言われて、やっぱりこの人には隠し事はできないなぁと思う。


「ご、ごめんねっ……。やっぱりりっくんには、わかっちゃうんだね。なんか私、今日みんなに気を使わせてばっかり。ダメだなぁ……」


「いや、べつに謝んなよ。誰だってそういう時はあんだろ。いつも笑ってられるやつなんかいねぇし、俺だって落ち込む時あるし」


「……え、りっくんも?」


思わず聞き返したら、りっくんは眉をひそめ、渋い顔をした。


「なんだよお前。俺が落ち込まないとでも?」


「いや、そんなこと言ってないけど……」


りっくんが落ち込んでるのって、実はあんまり見たことがないかも。


不機嫌な時は多々あるけど。