寒い。寒いよ。
手が冷たいよ……。
ふぅっと何度も息を吐いて、自分の手を温めてみる。
するとそんな時、頭の上にポンと誰かの手が乗るような感触がして。
「……えっ?」
ドキッとして見上げると、そこにはなぜか見覚えのある人物の姿があった。
「う、うわぁっ!りっくん!なんでっ……!」
ウソ、どうしてここにりっくんが!?
私が驚きのあまり大声を上げると、りっくんは呆れたように鼻でフッと笑う。
「お前こそ何してんだよ、こんなとこで。観たいテレビがあるんじゃなかったのかよ」
「……っ」
そうだった。さっきそんなこと送ったんだっけ。
「あ、あぁ。えーと、それはですね……」



