【完】俺がずっと、そばにいる。


学校から駅まで続く一本道の途中、小さな公園がある。


まっすぐ家に帰る気もしなかった私は、結局そこに寄って、一人ベンチに腰掛けてボーっとしていた。


落ち込んだ時は、たまに一人でここに寄るんだ。


寒い中、スマホも見ないで考え事をする。


考えてもどうしようもないこと、延々と考えて。


だけど、考えれば考えるほど、泣きたくなった。


ダメだなぁ。もうだいぶ気持ちの整理ができたと思ってたのに。


やっぱりふとした瞬間によみがえるんだ。


喪失感や寂しさが押し寄せてきて、どうしようもない気持ちになる。


涼ちゃんを失った悲しみを、私はいまだに乗り越えられなくて。


あれから三年たった今でも、こうしてたびたび落ち込んでばかりで、全然前に進めていないような気がする。


思い出せば中学の時、涼ちゃんを失ってボロボロだった私は、学校に通うのが精いっぱいで、ものすごく暗かった。


最初はそんな私に対して周りのみんなも心配して、同情してくれた。


だけどある日、クラスメイトに陰でこんなふうに言われているのを聞いたんだ。


『いつまであの子悲劇のヒロイン気取りしてるの?』って。