【完】俺がずっと、そばにいる。


靴を履き替え、昇降口から外に出る。


そこで、りっくんにこっそりメッセージを送っておいた。


『今日は観たいテレビあるから先に帰るね』


なんて、理由が適当すぎるかもしれないけど。


それに本当は、先に一人で帰ろうと思ったのは、さっきの呼び出しを見たからという理由だけじゃない。


なんとなく今日は一人になりたかったんだ。


あんな夢を見たせいで一日中涼ちゃんのことばかり考えていたし、どうしてもいつものように振舞えない自分がいたから。


正直なところ、早く学校から離れて一人になりたいというのが本音だった。


みんなに気を遣わせるのが心苦しくて。


修学旅行の打ち合わせ中も結局りっくんが気を使ってフォローしてくれたし、お昼休みだって、私が食欲がなかったもんだから、琴子がすごく心配してくれた。


どんなに取り繕っても、結局顔や態度に出てしまう。隠しきれない私。


りっくんや琴子は私が時々そうなるのをわかってるから、あえて何も詳しくは聞いてこなかったけれど。


そういう彼らの優しさも、ありがたい反面申し訳なかった。


どうしていつまでも自分はこうなんだって思う。


嫌になるの。