『俺、約束どおり一位とったよ!』
昨晩見た夢と重なる彼の姿。
思い出したとたん動悸がして、手がブルブルと震えはじめた。
「えっ、と……」
どうしよう。どうしたらいいんだろう。
知らないって言っちゃおうかな。
さすがにここで、彼の名前を自分から口にすることはできないよ……。
学校では平静を装うつもりだった。
みんなに気を使わせないように普通にしているつもりだった。
だけど、まさかこんな形で涼ちゃんの話題を出されてしまうとは思ってもみなくて。
「姫川さん?」
私が急に動揺しはじめたものだから、浅井くんが心配そうに様子をうかがってくる。
同時にグループみんなの視線が一気にこちらに集中して、変な空気になった。
このままじゃ、不自然に思われてしまう。何か話さなきゃ。
だけど、なんて……?
「……っ」



