【完】俺がずっと、そばにいる。


そして、そんな彼の熱い希望もあって、行き先の一つにそのロケ地も加えられることになった。


「あ、そうだ。そういえば、陸上王子で思い出したんだけど、姫川さんってもしかして、三中出身だったりしない?」


するとそこで、なぜか浅井くんが急に私に向かって話しかけてきて。


「え、私?う、うん。そうだけど……」


どうして急にそんなことを聞くんだろう。


「やっぱり~!いやね、俺さ、中学の時姫川さんに会ったことある気がするんだよね」


「えっ?」


ウソ。会ったことある?どこで?


「昔、市の陸上の大会でさ、応援に来てなかった?確かあれ、中二の夏だったかな〜」


そう聞かれた瞬間、思わずビクッと体が震えた。


え、ちょっと待って。


中二の夏。市の陸上の大会。


それってまさか……。


「三中に春瀬ひまり似の可愛い子がいるってうちの部でも噂になってたから、すげー覚えてるんだけど」


ドクドクと鼓動が速くなって落ち着かなくなる。


どうしよう。確かに私、中学時代、陸上の大会にはよく足を運んでた。


だけど、なんで今その話を……。