りっくんに隣の玲二くんが話しかける。
「え?俺はべつにどこでもいい」
「とか言ってまさかお前、自由行動なのをいいことにゆずちゃんと二人きりになろうとか企んでんじゃねーだろうな」
「はぁ!?」
「別に俺らはそれでも構わないんだけどさー、あくまで学校の行事なんだから、あんまりヘンなコトはするなよー?」
なんて、玲二くんは相変わらずからかうようなことばかり言っている。
私たちが付き合ってるフリをしていることを彼は知ってるのにね。
「アホか。そんなことするわけねーだろ。それはこっちのセリフだっつーの。お前こそナンパばっかすんなよ」
「うーん。それはどうかな~」
「おい……」
りっくんは完全に呆れ顔。
するとそこで、先ほどまではおとなしかった向かいの席に座る浅井くんが急に大声を張り上げた。



